「かる」のblog

2016年8月からのフロリダ州タラハシーでの生活に向けた準備の記録を残す場所を作成。 日本人があまりいないようで、日本語の情報サイトがほとんど見当たらない。 ということで、結構困っている英語が苦手な私。 自分自身の記録とともに、同じような境遇になった人のために公開記録とする予定。

アメリカで日本の教科の学習を維持する(息子の2年間のまとめ)

帰国まであと3か月。

息子のアメリカの学校生活も残すところ数日。

今までも途中経過を記してきたけれど

この2年間で息子の日本の教科学習を維持するためにやったことで

効果があったことをまとめておくことにする。

 

息子の基本情報

・現地校に通う。日本語補修校は近くにないので通っていない。

・算数が得意。言語・文字・暗記は苦手。

 

[1] 国語

①海外子女教育財団の通信教育教材

[分量];週に3日。

[内容];教科書に沿った内容

[良かった点];

分量が多すぎない。教科書で扱う内容を最低限一通り学べる。

学習進度の目安となる。作文をする機会がある。

学校で日本語学習をしていないことを前提に作られているので

国語が苦手で好まない息子でも何とか続けることができた。

 

②教科書の音読

[分量];小学1年&2年→平日一日1分(時間制。タイマーで測る)

[内容];通信教育教材の進度に合わせた単元。

[良かった点];

教科書の音読は、学習した漢字の読みの復習にもなるし、

年齢相当の日本語を読む良い機会になる。

教科書を読めない=日本の学校に戻った時に困る

というのは息子も理解できるので、

漢字を勉強するモチベーションの維持にも多少貢献。

 

③漢字ドリル(海外子女教育財団の教材の付録)

漢字のワーク(教科書準拠の問題集を日本で購入して持参)

[分量];

小学校1年生→週に3日。

小学校2年生→週に3日。

小学校3年生→週に6日(平日;毎日、土;復習)

[内容];

小学校1年生

一字ずつ新出漢字をなぞる、書くの練習

漢字の読み、漢字の書き取り

※ほとんど問題なくこなす。

 

小学校2年生

一年生と同じ順序で学習したところ、

漢字の読みと漢字の書き取りページができなさすぎて

(新出漢字を一度練習したぐらいではほとんど覚えていない)

嫌になって、投げ出すようになる。

       

※変更

漢字の読みのページを2週間ほど先行して

口頭で読むようにする。

(1日1回、読めないのは、すぐに教えてその場で復唱させる)

2週間も繰り返していれば、最後の方はスラスラ読めるようになる。

コツは、絶対に1回で終わりにすること。

(読めないのをその場で読めるようにしようとすると

嫌になって逃亡しだすので、そこはグッと我慢。

毎日続けていれば、読めるようになる)

 

漢字の読みを知ってから、新出漢字を練習するようになったら、

機械的に「なぞる・書く」作業だった練習が

その漢字の読みや意味を頭に描きながら練習するようになる。

 

漢字の書き取りはそれでもハードルが高くて嫌がる。

そこで3回同じものを練習。

1回目;答えを見ながら書く。

2回目;基本は答えを見ずに書くよう努力するが、

忘れたものは答えを見ながら書いてよい。

3回目;答えを見ずに書く。

書けなかったもの、間違えたものは練習。

 

※反省点;3回目のあとに、さらに「復習」の日を設けるべきだった。

年度末に2年生の漢字の総復習みたいなページになった時

ほとんどの漢字を覚えていなくて壊滅的な状況となる。

総復習ページを何も見ずに書けるようになるまで

徹底復習して、何とか対処。(大変だった・・・)

帰国前に2年生の漢字については、総復習する予定。

 

小学校3年生

→基本は2年生と同じにしたが、復習する機会を作るため

漢字の学習日は毎日に変更。

(漢字の負担が増えた分、得意な算数は必要なさそうな分を減らして

 全体の学習量は増えすぎないように調整)

 

①2週先行して漢字の読みだけ(ただし、一日に読む回数を増やした)

②進出漢字のなぞり・書き

③漢字の読み・書き取り1回目(答えを見て書く)

漢字の書き取り2回目(分からないものは答えを見てOK)

漢字の書き取り3回目(見ずに書く)

漢字の復習(問題の順序を並び替えて、再度テスト)

漢字の復習の復習(3回目や復習のときに間違えたものだけ復習)

 

それでも、3年生の漢字はしんどい。

今までは「知っている言葉」が「漢字」で表されるだけだったのに

3年生になってからは、

「そもそも知らない単語」が「漢字」になっていることが多く苦戦。

 

日本にいたら「開始」「中央」なんて言葉は

自然に覚えているのだろうけど、

息子の中では「はじめる」「真ん中」で止まっている。

そこに「流通」とか「東洋」とか出てきた日にはもうお手上げ。

海外生活が長い子供が

3・4年生で漢字をあきらめる事が多いのも納得。

 

特に、息子は字の読み書きに全く興味がない子で

ひらがなもカタカナも書けるようになったのは小学校入学後。

漢字はとにかく苦労しました。

まだまだ、日本の子のように完璧にスムーズにとはいきませんが、

教科書を音読できる程度には何とか維持して帰国したいところ。

 

④日記

[分量];

※小学2年生終わり頃からスタート

週に3日(月火で1、水木で1、金土日で1回)

最低2文(出来事1文&感想1文)からスタート。

書けるようになってきてから、詳細の1文を追加することに。

[良かった点];

息子が英語でのライティングが急にできるようになった頃から

日本語を書くことがすごく苦痛になり出したため始めた。

頭で考えたことをそのまま紙面に書き出す時間の確保として

すごく意味があった。学習した漢字をどこで使うかの練習にも◎。

最初は内容のハードルをかなり下げて、

「今日は一日家にいました。つまらなかったです。」でもOKに。

開始した当初は毎日書いたが、

日本語を書くことのストレスが軽減されてきた頃から回数を減らす。

週に3回ほど書いていれば、

国語の通信教育や作文を書くための力が維持された。

遠足に行ったり、海に行ったり、楽しいことがあれば自然と

書きたいことが増えて日記の内容も量の増えたので、

良い日記が書けた日はとにかくその良さを評価して、

後の日の日記は続けることに重点をおいた。

 

とりあえず、国語には時間を割いた。

息子が一人でしんどい時は、とにかく横に座って見守り、

嫌になる前に手を差し伸べた。(その間、犠牲となった可哀そうな二番目の娘・・・)

 

[ 2 ] 算数

①海外子女教育財団の通信教材

②教科書準拠のワーク(日本で購入して持参)

[分量];

週に2日。

小学1年→通信教材1回分+ワーク1ページ が一日分。

小学2年→通信教材1回分+ワーク1~2ページ が一日分。

かけ算の時には、上記プラス 九九の暗唱

小学3年→ワーク2ページ が一日分。

海外子女教育財団の教材は、

息子が帰国後通う予定の学校と教科書会社が異なるため

単元の進度が異なるため、帰国する今年度はやめた。

[内容];

日本の用語や文章題に慣れることを目的に取り組む。

算数が得意の息子は、算数の学習内容そのものは

すでに理解しているものがほとんどのため、

放置しておいても、一人で勝手に取り組んでいた。

算数に関しては、ほとんど苦労していないので、

他の人の参考になるようなネタはほとんどない。

淡々と、通信教育教材やワークを進めるのみ。

 

[ 3 ][ 4 ]理科・社会

[分量];小学校3年生よりスタート

平日はすでに国語と算数で手一杯なので

週末土日に理科1回、社会1回 とした。

[内容・良かった点]

NHK for Schoolが大活躍。

理科も社会もやはり実体験が必要だけど、

それをうちでやるのは難しい。

かといって、親が教科書を見ながら説明しても

子供はイヤイヤ聞く形になって、ほとんど頭に入らない。

 

いろんなオンライン学習教材の動画などがあるけれど、

やはり理科の「本物」の貴重な映像であったり、

社会の「実際」の現場での取材やその映像などは

NHKに勝るものはないのでは?と思う。

しかも、小学生の子供が飽きないような構成や効果音もついて

息子も楽しんで見ていました。

ちゃんと日本の教科書範囲は概ね網羅されているのも良いところ。

 

ただ、「見て終わり」だと、頭に残らないので、

見た後に、教科書準拠ワークの該当箇所の問題を解いた。

理科はそれでよいのだが、

社会は教科書準拠ワークはイマイチで、結局ほとんど使わず。

教科書準拠ワークを参考に、私が動画内容に合わせて自作しました。

(でも、これはすごく面倒だったからおすすめしないー)

この夏に帰国するからよいけれど、もう少し滞在するなら

自分が楽をするためにも何かしら対策が必要だったなー

 

ちなみに、NHK for Schoolは「先生」用の「教科書」単元を選択すると

その単元に関連する動画が表示されるのが、とても便利。

子供に見せたい動画はプレイリストを作成して、印刷しておけば

息子にそれを渡すだけで、

息子はかってにiPadQRコードを読み込んで動画にアクセス。

余計な動画が目に入って脱線することも防げるし、

私が家事をしている間にも勝手に見ておいてくれる。

 

唯一の欠点は、自分で動画を探さなくてはいけないこと。

あらかじめ動画を見て、

子どもに見せる動画を選別するのに時間がとられること。

そういう点では、タブレットとかオンライン対応の通信教育の方が楽。

 

最後に。

毎日やることを決めるのは良いのだが、

最もしんどいのは、それを確実に子供にやらせること。これに尽きる。

うちでは、基本「平日」に予定を入れる。「土日」は入れない。

そして「平日」は息子が疲れていたり、予定があったり、やる気が出なくて

全く学習に取り組まない日があったとしても、「やらせる」ことはしない。

(やらなくていいのー?ぐらいの声掛けはする)

と、決めて、本人の自由にさせました。

 

ただし、iPadのゲームや、テレビは、

その日の分までの学習が終わってなければ一切禁止。

見たい、やりたい日は、頑張って勉強に取り組んでいました。

 

そんな気にもなれずに、ひたすらレゴに没頭して、勉強から逃げる週も多々あり。

それはそれで仕方なし。

 

でも、絶対に譲らなかったのは

「その週の分の学習は、何がなんでもその週に終わらせる」

 

なので、「あー、今週はほとんどやってないなー」という週は

週末の遊びの予定はセーブして、土日の2日間かけて、どうにか取り組ませました。

(そんな土日は息子が泣き叫んだり、私とバトルしたり、なかなか大変ですが。

 日本に帰国するまでの間と思って、譲りませんでした。)

 

あとは、漢字の学習だけは、溜めると悲惨なので、(頭にも入りにくくなる)

「漢字の一日分」が終わったら、すぐにゲームが5分できる、としたら、

他の勉強をやる気になれない日でも、その5分やりたさに、漢字だけやってました。

 

国語や漢字、日記など、息子がとにかくやりたくないものには

ゲーム、お菓子、小遣い、など、もう外発的動機だろうがなんだろうが、構わず

息子がやる気になれるものを用意。

ここに関しては、英語で学校生活を楽しんでいる息子に

「将来必要なんだから、頑張るの!」と言っても

息子が心の底から納得して自発的に取り組むことはないと感じたので、

とにかく「学習し続ける」その1点だけを目標に何でもありにしました。

 

一方、算数に関しては、一貫して「勉強したことに対する見返り」は

絶対に与えることはしないと決めています。

理由は、「息子は算数が好きだから」。

大人だと通用しなさそうなこの理由。意外にも息子は納得して従う(笑)

何度か、「算数やったらゲームは?」と軽ーく打診されたことはありますが

「息子は算数は好きだから、そういうのはしないの」って軽くながすと

息子もそれ以上は何も言わず。

好きなものは、やることも苦ではないので、見返りは必要なしということのよう。

 

そんなこんなで、苦労した2年間。

きっと帰国してからは、英語の維持に頭を悩ませるのでしょう。。。

帰国子女、とか、バイリンガルなんて言葉はカッコよく聞こえるけど

やっぱり子供にとっては「かなりなストレス」以外の何物でもない。

 

息子が以前、日本語学習が嫌になった時に、発した言葉は一生忘れられないと思う。

「(世界のみんなが)同じ言葉を使ってたらいいのにー

 なんで、違う言葉をつかうの!」

 

全くもって、本当に。